水底の諦観

好きなものと自分の話

推しからリプがくる世界線

昨日、華の金曜日。仲の良い先輩(限界女性オタク)と水曜から2泊3日で出張に行き、帰社後10時まで残業をした。ちなみに入社後初出張初残業。初めて名刺交換をした。

疲労感はあるが、仕事が思ったよりスムーズに進みミスもなく、自分のやるべき課題も見つかって学びの多い出張だった。そもそも同行した先輩が完全に同類なので、休憩中や移動中に推しの話ができてめっちゃ楽しかった。上司から「出張どうだった?」と聞かれたら「めっちゃ楽しかったです!」とかいう返答をしそうなくらいに、めちゃくちゃに楽しんでしまった。

そんな旅行感覚出張を終えて退社、そのまま先輩と深夜のファミレスで夕食をとりながら推しの話をした。ちなみにこの日、先輩とは朝8時半に集合してからずっと一緒にいた(友達か?????)

 

そんな時、推しのツイッターが更新されたと通知が。(「この機能使ってるやつ初めて見た」by友人)

何の気なしにツイッターを開いたら、推しが出演する来月の舞台の推しのビジュアルが解禁されていた。ちなみにその舞台、文明開化の時代の探偵もので、今までのキャストさんたちは大正ロマンな洋装の綺麗めのビジュアルが多かった。普段私服がわんぱく系(オブラート)な推しの、かっちりスタイルが見られるぞ~~~とオタクは大いに楽しみにしていたのだ。わざわざブロマイドつきのチケットも買った。いそいそと画像を見て、絶句。

 

は、はんてん……? 

なにその忍〇ま〇太郎をオレンジ色にしたみたいな柄……。

 

洋装ちゃうんかい!!!!!!!!!

 

少年探偵団の役だった。いや、きっと、わりとおいしい役どころなんだと思う。だって少年探偵団だもの。そうに違いない。

私は思った。期待外れ~とかがっかり~というのは、期待をするからおこる現象である。だから常日頃わりとフラットに生きているのに、ちょっとそれを忘れて期待をしてしまった。期待をした私が悪いのだ。推しは悪くない。キャスティングしたほうも悪くない。っていうか誰も悪くないわ。

推しを推し始めてから、感情の振れ幅が大きくなっていて、正直しんどい。

 

えーーーーーいや、うん。文明開化にまだちょっと乗れてない側の役だっただけだもんね。大人じゃなくて少年役だもんね。うん。はんてん姿の推しなんてそうそう見られないし、ブロマイドもね、きっと、うん、素敵だと思う。ってか今日も顔がいいーーというかこのビジュアル顔しか良くな…い………うん………ぐすん。

 

ということで、大いにショックを受けたところをリアルタイムで一緒にいた先輩が慰めてくれ(二人で「えっ…なんで……?」と絶句した)、期間限定パフェで衝撃を癒し(実は物心ついてからパフェを初めて食べた。こんなに楽しい食べ物がこの世にあるのか。楽しかった)、なんだかんだで素晴らしい一週間だったなあ~とホクホク顔で帰宅。

 

あっそうだ、最近推し尊すぎてリプ送れてなかったなあ~今ならいける(ひどい)というテンションで、日常ツイートにリプをして布団に入った。推しのアイコンが例のはんてん少年になっていたので「少年感が素敵ですね!舞台楽しみです」的なことも付け加えておいた。頑張ったわ。

すぐに推しがいいねを押してくれた(普段からいいねは絶対してくれる)。しかも今回、ちょうど押された瞬間ツイッターを見ていたのでリアルタイムでハートマークがついた。ちょっとテンションがあがったオタク、とりあえずスクショした。

出張楽しかったな~などと思いながら目を瞑っていたら、スマホに通知が来た。なんだ、と思って半目で手に取ると、推しからリプライがきていた。

推しから、リプライが、きていた。

 

は??????????

 

普段はいいね押すだけじゃん……なんで突然……????? えっ………何で………!??!?

 

興奮したオタク、ばっちり目が開くの巻。いやそりゃそーだろうよ。

内容は、どうでもよい雑談クソリプに対する可愛い返信(盲目オタク)と、舞台のビジュアルを褒めたことに対するお礼。

うわっっっ

好き

とりあえず一回スマホを置いて本気で深呼吸をし、それから雑談にちょっと追記をしてびっくりしましたおやすみなさい的なことをリプして目を瞑った。目を瞑ったが、ガンッガンに目が冴えていた。初出張初残業の疲労感も、生理二日目の鈍痛も、ついでに推しのビジュアルにショックを受けたことも、全部が吹っ飛んで、ただ凪いだ気持ちだった。

うわー多分推しも深夜テンションだったんだろうなー。好きだわー。えっ……好きだわ……。

詳しくは割愛するが、雑談へのリプがめちゃくちゃ私のツボをついていた。「わかる~」って感じだった。それを好きな人が私に向かって言ってくれた。うわー。

興奮って一周回ると落ち着くんだということを知った。それでも目を瞑り続け、気が付いたら朝だった。少し落ち着いたので、この記事を書いている。夢か幻か、と思ったが、現実だった。現実は小説よりも奇なり(ちょっと違う)

 

20代も半ばになって、こんなに新しい感情をたくさん知るなんて思ってもいなかった。推しはいつもわたしの世界を広げてくれる。ただ、この人が好きだなあ、と思う。ずっと好きでいたい、とも思う。

そんな、充実した一週間の締めくくりのお話。

 

追記

眠れなかった間、なんでこんなに先輩といて楽しいんだろうと考えてみた。同じ文字書きで、薄暗い話が好きで、作家買いしている商業BL小説作家さんが被っていて、食べ物の趣味(チーズが大好きで生クリームがダメ)が合いまくり、同じちょっと特殊な学校を卒業している。それだけでも十分だが、おそらくテンションの上がるポイントや笑いのツボが似ている。話していて、自分だけがテンションが高い瞬間というのはちょっと寂しかったり悲しかったりするものだが、この先輩といるとそれがない。しかも喋る熱量が同程度で、かつお互い人の話を聞くのも好きなタイプなので、話し手と聞き手になるのがちょうど半々なのだ。ストレスフリー。超楽しい。会社のヒトだけど、丸3日間ほぼ二人きりでいて、話が尽きずにむしろ深夜のファミレスで語っちゃうくらい楽しい。末永くお付き合いしたい。